体外受精|山下湘南夢クリニック(YSYC)|藤沢市の不妊治療/体外受精

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体外受精

体外受精|山下湘南夢クリニック(YSYC)|藤沢市の不妊治療/体外受精

当院では患者様の肉体的・経済的負担を最大限に軽減する為、低刺激/自然周期における採卵を実施しております。

採卵法及び採卵針

私たちは1999年より採卵針の独自開発を開始し、現在は世界標準の採卵針(17ゲージ)に比べ、約2分の1の太さの採卵針(21または22ゲージ)による採卵を行っています。針の先端部分の刃は特殊な方法で加工し、組織へのダメージを最小限に抑えるように工夫を施しました。この極細針では痛みや出血も軽度なため、不妊治療施設で一般的に行われている採卵のための全身麻酔処置は必要ありません。また、身体に大きな負担をかけず通常数分で採卵が完了するので、採卵後の安静時間は10分程度で当日帰宅が可能です。

通常媒精(cIVF)

1個の卵子と10~20万匹の精製した良好な精子を、培養液中で受精させるもので、自然に近い受精方法です。

顕微授精(ICSI)

精子の数や運動性に問題があり通常の受精法では受精率が低いと予測された場合、顕微授精(以下「ICSI」)を行います。顕微鏡で観察しながら微細なガラス針で1匹の精子を卵子に注入する方法です。

ピエゾICSI

ピエゾ(圧電素子)を使用したICSIです。先端が平坦なガラス針を用いるため卵子への侵襲が少なく、ICSI後の卵子生存率を高めることができます。

卵活性化法

ICSIを行っても受精しない卵子に対し、電気刺激や薬剤を用いて活性化を行い受精の補助する技術です。

精巣上体または精巣精子回収法(PESA,TESE)

射精精液中に精子を認めない場合や運動精子が認められない場合、精巣上体(精巣で作られた精子を一時的に貯蔵する器官)や精巣から外科的に精子を採取する方法です。提携先の泌尿器科で手術を行い、当院にて顕微授精を行うことも可能です。

胚移植

体外で育てた胚を子宮内へ移植します。目的の位置へ正確に胚移植を行うには熟練を要します。当院では経腟超音波で移植位置を確認しながら、正確かつ速やかに移植を行います。
私たちは以前より多胎妊娠の減少を目指してきました。現在ではほぼ100%、1個の胚(受精卵)だけを子宮に戻す治療を行っています。

移植用カテーテル

私たちが開発した細く柔らかいカテーテルを使用します。一般的なカテーテルが6フレンチというサイズなのに対して当院では2フレンチのカテーテル(2分の1以下の太さ)を開発し、素材も従来のテフロンという硬いものからシリコンという非常に柔らかいものに変更しました。操作性と柔らかさの間には相反する関係があり通常カテーテルには一定以上の硬さが要求されますが、これを独自の技術で解決しました。

移植後黄体ホルモン管理

黄体ホルモンは妊娠ホルモンとも呼ばれ、胚の着床やその後の妊娠維持に欠かせません。当院では最高の着床環境を作るために、黄体ホルモン値を複数回測定し、正確な黄体ホルモン管理を行っています。

胚盤胞培養

着床する直前の胚は胚盤胞と呼ばれます。加齢や卵管炎など卵管の機能が低下している方は、胚が胚盤胞まで発育しにくいと考えられます。卵管機能を代用する培養方法です。

アシステッドハッチング

アシステッドハッチング(AH: Assisted Hatching)とは、人工的に受精卵の透明帯を取り除く技術です。
胚の周囲を包み保護する透明帯に異常があると、着床率が低下します。
このような場合、透明帯を除去した後に胚を移植することが有効と考えられます。
当院では、安全性の高い赤外線ダイオードレーザーを用いてアシステッドハッチングを行っています。

ガラス化凍結胚保存法

着床するためには、胚と子宮内膜が正確に同期することが必要です。両者のタイミングがずれている場合、胚を凍結保存します。当院の胚凍結は、融解後も高い生存率を示すガラス化凍結胚保存法で行っています。凍結保存した胚は、子宮内膜の着床環境が最適な時点で融解し、移植します。

SEET法

体外受精-胚移植の着床不全の原因のひとつに受精卵と子宮内膜の反応不全があります。最近の研究では、受精卵が着床するためには、受精卵からのシグナル(胚因子)が必要であり、それと同調して子宮内膜は着床環境を整えている(Implantation windowを開く)と考えられています。胚盤胞移植のみではこのシグナルを送るタイミングが無いため、着床不全の原因となる場合が考えられます。この対策としてSEET(Stimulation Endometrium of Embryo Transfer)法があります。これは自身の胚培養に用いた培養液を、胚移植の数日前に子宮腔内に注入し、子宮内膜の着床環境を改善させる方法です。

着床障害に対して

良好と考えられる受精卵(胚盤胞)を移植しても着床が起こらない患者様がいらっしゃいます。このような方に対しては、良好凍結胚盤胞と不良凍結胚盤胞をペアにして移植を行います。移植された胚と子宮内膜とは相互に刺激を与えながら着床過程が進むと考えられています。移植胚側から内膜側への働きかけを増強し、しかも良好胚と不良胚を組み合わせることで多胎になる確率を極力避ける方法です。
また子宮鏡検査や子宮内膜着床能検査(TRIO検査)、慢性子宮内膜炎検査(CD138)なども行っております。

精子凍結保存

採卵当日に精子の準備ができない場合、自宅で採精した精液を事前に凍結保存しておくことが可能です。
また極少数精子凍結コンテナー「MAYU」の開発で国際特許を申請・取得しており、通常凍結法では難しい極少数の精子を凍結保存し利用する技術を有しています。
当院は高度生殖医療研究所を併設し、独自に開発した不妊治療技術のみならず、大学や企業研究施設との共同研究を積極的に行っています。

タイムラプスインキュベーター

タイムラプスインキュベーターは、培養器に顕微鏡の機能と高性能カメラが備え付けてあります。それにより、胚をインキュベーターから出すことなく一定の間隔で自動的に胚を撮影することで、胚のストレスを軽減させ、成長を動画で追うことができ、発育胚の異常を知ることができます。

SSD(Sperm Separation Device):膜構造を用いた生理学的精子選択術

精液とは液体である精漿の中を精子が泳いでいる環境です。精液中には雑菌や死滅精子が含まれるため、精子を治療に用いるためには遠心処理などを行い、無菌的に精子を集める必要があります。しかしながら遠心処理のデメリットとして、集めた精子のDNA断片化率を高めるという報告があります。
SSDは健常な精子が選択的に通過できる膜を用いることで、精液から精子を分離することが出来るデバイスです。
具体的には、1mL程度の精液をデバイスに入れ、膜を通して培養液中に精子を分離します。これにより、遠心処理と比較してDNA断片化率の低い精子を集めることが出来ます(Journal of Assisted Reproduction and Genetics,2023)。
当院では2023年にSSDを先進医療として実施できる施設認可を得ております。そのため、保険診療との併用が可能です。
デメリットとしては、規定量(1mL)の精液を使用しますので、精液量が1mLを超えており精子濃度が低い方は、十分な精子が回収できない可能性があります。
精子の回収量が少なかった場合、Conventional-IVF(ふりかけ法)をご希望であっても実施できず、ICSI(顕微授精)を選択せざるを得ない可能性が出てきます。
費用は1回の使用で25,000円(自費の場合は税込27,500円)となり、ご利用できる患者様は、1回以上の体外受精または顕微授精を実施しても移植可能胚が得られず、または胚移植しても妊娠に至らなかった方に限ります。