ヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)での口頭発表|山下湘南夢クリニック|藤沢市の不妊治療/体外受精

〒251-0025 神奈川県藤沢市鵠沼石上1-2-10 KENEDIX藤沢4F
0466-55-5011
ヘッダー画像

職員ブログ

ヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)での口頭発表|山下湘南夢クリニック|藤沢市の不妊治療/体外受精

ヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)での口頭発表

こんにちは。高度生殖医療研究所の甲斐です。

 

我々の研究分野には、ヨーロッパ生殖医学会(ESHRE:エシュレ)とアメリカ生殖医学会(ASRM:アスラム)という2つの大きな国際学会があります。どちらの学会も世界中から1万人以上が参加するマンモス学会で、ESHREはヨーロッパの主要都市の持ち回りで、ASRMはアメリカの主要都市の持ち回りで毎年開催されています。今年のESHREはパリで開催予定だったのですが、残念ながら新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンラインに変更され、今週、6/28(月)-7/1(木)の4日間の会期で開催されました。

 

今年のESHREには高度生殖医療研究所と培養室から1題ずつの演題を投稿しましたが、見事、それぞれ口頭発表とポスター発表に採択されました!!実はこれ、結構すごいことなのです。ESHREの演題採択率は、ポスター発表で40%程度、口頭発表にいたっては12%程度と、かなりの狭き門です。事実、今年の口頭発表に採択された日本人は私を含めて6名だけしかいませんでした。そのような中で、当院の演題が2題とも採択されたことは快挙と言えますし、大変光栄に思います。

 

私の口頭発表ですが、’’First mitotic spindle formation led by sperm centrosome-dependent microtubule organising centres may cause high incidence of zygotic division errors in humans’’というタイトルで、ヒト受精卵が2細胞期胚に分裂する際の染色体分配メカニズムを解析した内容の発表でした。これは我々が世界で初めて明らかにしたもので、研究内容の詳細は2021.4.23掲載の当院ブログをご覧頂ければと思います。

https://www.ysyc-yumeclinic.com/blog/2021/04/

 

 

さて、肝心の発表ですけれども、オンライン開催ということで事前に収録したビデオ映像を流し、その後、ライブで質疑応答を行う形式でした。発表者の持ち時間は発表時間が10分、質疑応答が5分の計15分です。発表ビデオの収録はZOOMというWeb会議サービスを利用し、学会スタッフの指示を仰ぎつつ(もちろん英語です)、スライド発表している様子を収録したのですが、これもまた一苦労。外部からの音が入ってしまったり、私がセリフを噛んでしまったりなどして3回ほど撮り直しを行いました。ビデオ収録が終わってしまえば、あとは気楽に構えていられるかというと大間違いです。英語の聞き取りが苦手な私にとっては、国際学会での質疑応答こそが最大の難関です。例年ですと、現地入りして空港やホテルなどで英語に触れる機会を学会前に持てるので、徐々に自分の頭を英語モードに切り替えて学会に臨むことが出来るのですが、今回の場合はそうはいきません。質疑応答もZOOMを使って行われたのですが、座長から繰り出される4つの質問にかろうじて対応し、なんとか発表を終えました。なかなか疲れましたが、発表内容は高く評価してもらえたようでした。

 

当院では技術および知識の向上、ひいては生殖医療の発展のために日々研究に励んでおり、その成果を国際学会においても積極的に発信しています。来年のESHREはイタリアのミラノで開催される予定です。2年連続での口頭発表を目指し、現地で発表できるよう研究に邁進したいと思います!