おもな症状は、過多月経と月経痛です。他に月経以外の出血、腰痛、頻尿などがあります。
症状は発生部位と関係があります。粘膜下筋腫は小さくても過多月経量となり、繰り返す流産（習慣流産）の原因になる場合もあります。
一方漿膜下筋腫は大きくなっても月経症状がでない傾向があります。

 主に経腟超音波検査で診断しますが、正確な位置や個数の確認、また巨大な筋腫や他の疾患との鑑別が必要な場合などは、
骨盤MRI検査を行います。大きな筋腫は悪性の子宮肉腫との区別難しいことがあります。
（大きな筋腫の約0.5％は子宮肉腫といわれています）

 小さくて無症状の場合は治療の必要はなく、経過観察でよいでしょう。治療法には手術療法と薬物療法があります。
手術では子宮を筋腫ごと全て取る方法と筋腫のみ取る手術があります。
子供がほしい人や子宮を残す希望の強い人では筋腫のみを取る手術を実施しますが、手術の際、出血が多くなるのが難点です。
また、直接見てもわからないような小さな筋腫が取り残される可能性があり、数年後に子宮筋腫が再発してくることもあります。
近年は主に腹腔鏡下手術が行われ、入院期間の短縮や術後の痛みの軽減などがメリットとなっています。
ただし大きさやできた場所によって腹腔鏡での手術が難しい筋腫もあります。子宮筋腫の発生を予防する方法はありませんが、
薬物療法で子宮筋腫を小さくしたり、出血や疼痛などの症状を軽くすることができます。
薬物治療には、月経を止める治療（偽閉経療法）が行われます。GnRHアナログ製剤（アゴニスト・アンタゴニスト）には
種々のタイプ（内服薬、注射薬、点鼻薬）があり、自分に合うものを選んで使用することが望ましいでしょう。
またLEPや黄体ホルモン剤（内服薬、子宮内リング）などもあります。
偽閉経療法では、エストロゲンの分泌が減少するので更年期様の症状等の出現や、
骨量（カルシウム）が減少するおそれがあるため長期間（半年以上）の治療できません。
治療中は子宮筋腫が半分近くまで小さくなりますが、治療を中止すると元の大きさに戻る場合が多いです。
よって、この治療は、手術前一時的な使用や閉経が近い年齢の方などの逃げ込み療法として行われることが多いです。
その他の治療法として子宮動脈塞栓術（UAE）FUS(MRIガイド下集束超音波治療)があります。