日本卵子学会学術集会で優秀演題賞を受賞しました!!
- 2023年5月30日
- 研究室
こんにちは。高度生殖医療研究所の甲斐です。
5/20(土),21(日)に開催された第64回日本卵子学会学術集会(@つくば)において当院の研究が優秀演題賞に選出されました!!
数多の大学や医療機関から投稿された演題の中から選ばれたことは大変光栄です。
https://jsor2023.com/assets/pdf/受賞者一覧.pdf?02
「受精から第二卵割に至るヒト精子尾部における形態変化の超解像イメージング解析」という演題で、受精後にヒト精子尾部はどのような運命を辿るのか?という、これまであまり注目されてこなかった疑問に着目し、当院のイメージング技術を駆使した基礎研究の成果です。
優秀演題賞受賞講演では多くの方に称賛いただき、今後の研究に有用な様々なアドバイスを頂くことも出来ました。
あれ?精子のシッポって受精したら不要なのでは?と思われた皆さんは素晴らしい洞察力をお持ちです。
精子の頭部には父親の遺伝情報や卵子活性化因子が存在しており、とても重要との認識をされている方は多いはずです。
それに比べて精子の尾部は卵子に辿り着いてしまえばもはや無用の長物とお考えのことでしょう。
実は近年、精子尾部も初期胚発生に関わっているかもしれないという知見が得られています。
精子には数千種類ものRNAが存在することが報告されていますが、その機能についてはほとんど明らかになっていません。
もし尾部に存在するRNAが初期胚発生に何らかの役割を担っているとしたら...この研究は生殖補助医療の新たな技術開発に繋がるかもしれません。
ひょっとしたら受精後も人知れず極秘任務を果たしてきた精子尾部。そこにスポットを当ててあげただけでも意味があったのかも知れません。
現段階ではただの私の妄想に過ぎませんが、今後、解明されていくことを期待しています。
本研究の他にも、高度生殖医療研究所では卵子の質に関する研究、胚盤胞の着床に関する研究、新たなタイムラプス解析法に関する研究などが進行中です。
今後の研究成果にもご期待ください!!