rescue-ICSI(日本卵子学会学術集会にて)
- 2018年6月14日
- 培養室
こんにちは、培養部の越智です。
そろそろ梅雨入りの季節となり、雨の日も増えてきました。
雨が苦手なので、夏が待ち遠しいです。
さて、先月埼玉の大宮で卵子学会という生殖学専門の学会が開催され、参加してきましたのでご報告させていただきます。
当培養室の河野のブログでも報告がありました通り、今回培養室からは2演題採択され、私はrescue-ICSIについて発表させていただきました。
rescue-ICSIとは「ふりかけ法」で受精していない卵子に行う「顕微授精」のことを指します。
当院では体外受精のステップに進むと、重度の男性不妊ではない場合はまずふりかけ法で受精を目指します。
ふりかけ法は皆さまご存知の方も多いと思いますが、卵子に10~20万匹の精子をふりかけ、精子自身の力で受精させる自然に近い媒精方法です。
卵子への負担が最も少なくお勧めの媒精方法ですが、デメリットとして精子自身が卵子の中に侵入できなかった場合、全く受精反応は起こらないという点が挙げられます。
一般的に約20~30%の卵子はふりかけ法で受精しない、「受精障害」という症状が見受けられます。
そんな受精障害を持つ卵子に顕微授精を行い、救済を可能とする方法がrescue-ICSIです。
今回は卵子に精子が侵入しているか、していないのかをより確実に見極める方法やタイミングについて報告してきました。
rescue-ICSIが必要か否かをきちんと見極めることで1周期も無駄にすることなく、皆さまに安心してふりかけ法にチャレンジしていただけると思います。
媒精法などでご不明点がございましたら、当院培養室まで気軽にお尋ねください。
培養部 越智