培養成績改善への取り組み
- 2018年10月11日
- 培養室
こんにちは、培養部の越智です。
今年は例年に比べ台風が非常に多く、過ごしにくい夏となりました。
はやく穏やかな秋が訪れることを待ちわびております。
さて、本日は卵の成長に大きく関わる培養液のお話しをします。
培養液とは体の外で卵を培養するために、子宮や卵管内液の組成を基に作られたものです。
卵は採卵された直後から移植または凍結されるまで、ずっとこの培養液の中で過ごすこととなります。
培養液には現在多くのメーカーが発売しており、それぞれ特徴が異なります。
そのため患者さま一人一人に最適な培養液を選択するべく、当院では常に複数種類の培養液をご用意しております。
またそれだけではなく、日々新しく開発される培養液の効果を見極め、最良の培養液の選定に日々努めております。
今年新たに導入した培養液は、成熟卵子由来胚の胚盤胞到達率の改善に大きく成功しております。
この培養液の特色としては、近年注目が集まっている抗酸化剤を含有していることです。
卵や精子は常に酸化ストレスに曝されており、いかにこれを軽減するかが体外培養では重要なポイントとなります。
抗酸化剤とは酸化ストレスの原因である活性酸素から卵や精子を守ってくれる物質のことです。
今回胚盤胞成績の改善がなされたことで、胚盤胞移植の可能性を高めることができました。
今後も引き続きいくつかの新規培養液の検討を予定しております。
皆さまが一日も早く赤ちゃんと出会えるように培養成績の改善に培養室一同取り組んで参ります。
培養部 越智