「受精着床学会での発表‐その2‐」|山下湘南夢クリニック|藤沢市の不妊治療/体外受精

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「受精着床学会での発表‐その2‐」|山下湘南夢クリニック|藤沢市の不妊治療/体外受精

「受精着床学会での発表‐その2‐」

前回のブログに引き続き、受精着床学会での発表内容についてです。
高度生殖医療研究所の中田久美子です。

11月26日、27日に開催された日本受精着床学会では、精子の研究内容を3題発表しました。
水素処置による精子運動性の改善についての2題、は、メカニズムと他の化学薬品との比較について報告です。着目点が素晴らしい、よく思いついた、どうやって使うの?と、いつも熱い討論をしている先生にまで褒められ過ぎて、あまり褒められることに馴れていない私は少し居心地が悪いくらいでした。
こちらについては、ブログでも何度もお伝えしてきましたので、少ない精子の凍結方法についてお話させていただきます。

今回この発表は、27日の朝一番の発表でしたが、たくさんの方に来ていただきました。スライドがよくわからなかったから、もう一度、その部分を見せてもらえますか?と言われたり、多くの研究者や医師に関心を持っていただけてとてもうれしかったです。
いろいろな凍結のデバイスが報告されているのですが、私は患者目線、培養士目線にこだわって開発しました。どうしたら、確実に1匹の精子を大事に凍結融解して、顕微授精に使用できるか、どうしたら、忙しい培養士に無駄が少なく使いやすいデバイスを提供できるか、です。
この開発ができたのは、自分自身が培養室で少ない精子の顕微授精をしてきた時、患者さんとお話をしていた時、他の施設を見学していた時、といろいろ考えさせられる機会をいただいたからです。
そして、独りよがりな考えに陥らないように、アイディアを思いついた時、実際に実験的にやってみた時など、それぞれの時ごとに自分の目の錯覚や思い込みでないことを確認するために、私のラボから培養室に連絡を入れて、うちの培養師と再確認しています。
最初に固定イメージを持ってもらわないために、ブラインドでどっちがいいかを聞いて、私と同じかどうかを確認します。また、実際に使うとしたらどういうものの方がいいか、とか、とてもとても貴重な意見をもらえます。すごくありがたいです。

自分が子供を産むことももちろん大変ですが、自分が作った技術で赤ちゃんが生まれてきてくれるというのは、とても責任が重いですし、考えれば考えるほど夜も眠れないこともたくさんあります。でも、患者さんが苦しんでいて泣いていることを考えれば考えるほど、実験を繰り返し繰り返し、やります。いろいろとアドバイスしてくれる方は本当にありがたいです。
写真は、学会の後に長くこの業界で頑張っている友人がクリニックに来てくれた時のものです。私のラボで、いろいろと試している写真です。なんだか、お姉さんと妹みたいな二人で見ていて微笑ましかったです。