「精子凍結」
- 2015年9月3日
- 研究室
9月になり、一気に秋の気配が漂ってきたこの頃ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?高度生殖医療研究所の中田です。
ちょうど前回のブログをアップしたころに、実験先に行っていましたが、その施設の皆様に回し読みをされるというかなりの羞恥プレイをしていただきました。中には、目の前で声を出して読もうとする方もいましたが、恥ずかしいやら嬉しいやらの時間でした。ありがとうございます。
いくつ実験をしているのかわからないこの頃ですが、どれも同時並行でなんとか進みつつあります。一緒に実験していただけている温かい皆様のおかげです。私一人ではできないことも、いろんな方と一緒に行うといろんな視点やいろんなことがあり、もっともっといいものにと、できることが何よりありがたいです。患者さんに役に立つ技術作りと実験、患者さんの笑顔は私の原動力です。
今回お話させていただくのは、「精子凍結」についてです。男性も読んでいるかもしれないのですが、精子凍結の技術もまだまだ開発が必要なところがあります。
凍結して、融解した後に、ちょっとしょんぼりしている精子を見ていると、いかに凍結前と同じ状態にするか、もっといい状態にできないか、を考えさせられます。
君たちが元気でないと、卵子ちゃんたちは待ちぼうけだよと見ていて思ったりします。
実際に、研究用にいただいた精子を使って、凍結する凍結液から温度変化から、融解するときの状態を見つつ、これはいいぞ!というものも見つかりました。
8月中には他施設からの見学の方たちも来られて、私と同じ「精子凍結」をどうするかを真剣に考えていた方々でしたので、一緒に実験しました。私は教えるということが苦手なので、実際に一緒にやってみて、どこが改善した方がいいのかなと一緒に考える方がいいかなと思います。その方たちは自分の施設に帰ってすぐにいろいろと実験したそうです。今までよりも良くなりました!というメールを頂いた時は、嬉しかったです。本当に熱い方たちで、その施設の患者さんたちもこんな培養士たちがいたら喜ぶだろうなと思うと何倍も嬉しかったです。目的が同じ人たちがいると、私も頑張ろうと思いますしね。