「自然が教えてくれること」
- 2019年9月15日
- 研究室
台風の影響で停電や断水が続いた地域の皆様、大変な状況だったと思います。復旧はしても、日常が戻るまでには、まだ時間がかかると思いますので、どうかお体を大切にしていただけたらと思います。高度生殖医療研究所の室長の中田です。
私の家は神奈川にありますが、山の上に近いところにあり、小さな小さな畑で野菜を育てるのを趣味としています。今年は、購入した胡瓜の苗がすくすく成長し、毎朝、胡瓜が2本収穫できるほどになりました。多少形は悪いですが、太くてみずみずしく、とても美味しく、私のささやかな自慢になりました。完全無農薬にしたかったので、酢とニンニクと唐辛子パウダーを水に混ぜ、濾過した手作りの除虫剤を使って育てました。土作りから2年目にしてですが、素人にも関わらずここまで育つとは思わなかったので、朝が楽しみになりました。
しかし、台風により、葉が大きかったことやずいぶん広がって育っていたせいもありますが、写真のように風になぎ倒され、あちこちの茎が折れ、葉は枯れ、途中まで育っていた胡瓜もダメになってしまいました。
私の家も台風で2日間停電し、とても大変でした。
家族には、胡瓜はもう無理だと思うよ、と言われたけれど、無理かどうかはやってみないとわからないから、とあちこち折れた茎や枯れた葉を切り取り、また支柱に茎を固定し、を繰り返しました。ほとんど葉がなくなってしまったけれど、なんとかならないかと諦めきれず、手入れを繰り返しました。
台風後4日目に花が4個咲いたのをみて、感動しました。そして3つ目の写真ですが、胡瓜になりそうな感じです。
植物の生命力に驚かされるとともに、諦めないことを教えられた気がします。ほとんどの葉がなくなり、折れた茎ばかりの胡瓜ではありますが、花の数も増え、新しい芽が育ってきています。また収穫できたらいいなと思います。
私の仕事の話もさせていただきます。
今まで、運動性の減少した精子を元気にさせるための研究、精子ひとつでも凍結保存できる方法などを行ってきましたが、精巣の組織を凍結する研究、精子を守るための新しい研究も進めています。いい結果が出てきていますので、患者さんの役に立てればと思います。どんな状況になっても倒れず、諦めず、花を咲かせて実を結んでほしい、は、私の基礎です。そう思う自分が倒れたり、諦めたりしないように、自分の体のことも考えながら、頑張っていけたらと思います。