イギリスからの便り(コロナウィルスの精子への影響)
- 2020年3月10日
- 培養室
私は今イギリスに留学しています。欧州でもイタリアを筆頭に新型コロナの影響が日々拡大しています。先日、新型コロナウイルス「COVID-19」の男性生殖能力への影響について、Newsweekで掲載されていた記事を男性生殖研究の第一人者Allan Pacey教授が取り上げ、その講義を受けました。
(記事内容)
https://www.newsweek.com/chinese-scientists-coronavirus-male-fertility-1488235?_gsa=1&=1
講義の要約ですが、中国の研究者が、COVID-19がヒトに感染する際の受容体(細胞にあるタンパク質)について調べたところ、精巣と腎臓の細胞に多く存在したそうです。つまり、COVID-19に感染すると、精巣と腎臓がターゲットになる可能性が考えられるため、感染した男性の生殖能力に注意を払うべきとのことです。Allan Pacey教授は、あくまで当該研究は生データで公開されたものであり、更なる検定の必要性を強調されていますが、生殖医療上留意すべき所見と考えます。
YSYCスタッフには院内感染がおこらぬよう最大限の配慮をお勧めします。
培養部 中嶋 直綱
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以上の連絡により、精子にも影響を与える可能性のあるCOVID-19の院内感染防止を一層徹底するため、以下の内容に該当された方は院内での採精や診察等を当分の間お断りさせていただく場合がございますのでご了承ください。
・2週間以内に中国・韓国・イタリア・イランに渡航歴がある方
・2週間以内にCOVID-19感染者と接触歴がある方
・風邪の症状や37.5度以上の発熱が2日以上続く場合
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合
上記のような接触歴や症状がある方は、最寄りの保健所に設置される「帰国者・接触者相談センター」にお問い合わせください。
帰国者・接触者相談センターホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html
患者様の皆様、ご協力よろしくお願いします。
YSYC スタッフ一同