培養師の縁の下の力持ち
- 2013年2月8日
- 研究室
皆様、明けましておめでとうございます。
もう2月ですね。
ご挨拶が遅くなり申し訳ありません。
培養師兼研究員をさせていただいております、中田久美子です。
昨年に引き続き、ナノバブルを用いた培養液の開発の研究にあたって、また新しい試みを始めております。
内容については細かくお伝えできないのですが、たまごがどれくらい呼吸をしているかを調べる研究です。その研究で使用する機材を株式会社ナリシゲさんに依頼して作っていただきました。
このナリシゲさんは、研究の機材だけではなく、皆様の大事な卵子に精子を注入する装置を作っています。
皆様も卵子に極細のガラスピペットが挿入されて、精子が卵子の中に注入される顕微授精の映像をご覧になったこともあるかもしれませんが、このガラスピペットを操作する部分を作っている会社です。
ナリシゲさんがその操作部分を作ったからこそ、私たち培養師は安心して顕微授精を行えていますので、「培養師を支える縁の下の力もち」だと思います。
どこのクリニックもこの装置のお世話になっています。
宣伝費用をいただいたわけではないので、あんまり誉めるとおかしいと思われてしまいそうですね。
今回は顕微授精の装置とは別の装置を依頼したのですが、開発の方たちの熱意や企画の方の顧客の期待するものを作ろうという姿勢がとにかくすごいんです。こういうものが欲しいと提案しただけなのに、とても工夫を凝らしてくださって、担当の女性の方は夜8時過ぎでもご連絡いただき、細かく説明してくださいます。
納期まで日がなくても、塗装ひとつにもこだわってくださいます。
物作りの熱意をとても感じる会社で、私はこんな方たちがいてくれて良かったな~と思い、私の熱意も上がります。
先日、ナリシゲさんにうかがって打ち合わせをしてきましたが、初代社長の直筆の言葉が額に飾ってありました。とても感動したので、写真を撮らせていただきました。
決して美文字とは失礼ながら言えないと思うのですが、墨汁できっちりと書かれた文字に迷いのない技術者としての信念と情熱を感じました。
顕微授精は今ではどこでも行える技術ですが、卵子を扱う仕事では日本人がもっとも向いていると言われています。外国人、特に欧米ではヒステリーを起こす人もいるそうです。
日本人の作ったものが日本の患者さんたちを支えているというのを皆様に知っていただきたくて、今回ブログに掲載させていただきました。
来週は、博多の蔵本ウイメンズクリニックに行ってまいります。
受精不全卵子への電気刺激技術の見学です。受精の刺激の不足した卵子に電気刺激で補助してあげる方法ですので、なかなか受精しない患者さんのお役にたてると考えています。
また、ご報告させていただきたいと思いますので、お楽しみにしていてください。