学会の秋
- 2012年10月30日
- 研究室
秋も深くなって来ましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
培養士兼研究員の中田です。
10月は来月の日本生殖医学会学術集会発表に向けて、培養士の仕事と研究員の仕事の比率で、研究員の仕事もいつもより多く出来た月でした。
慈恵大学の先生に10日間弟子入りし、生化学の研究をさせて頂き、産総研、麻布大学、金沢大学とあちこちに出没させて頂きました。こんなにあちこちに行けているのは院長や職場のみんな、家族の理解もありますが、実験先の皆様が、私が手がけている研究を自分のことのように協力して頂いているからだなとありがたいです。
研究については、最近、iPS細胞で山中先生がノーベル賞を受賞されましたが、実際に患者さんの身近な医療になるには、倫理審査という高いハードルがあります。それを抜きにして、治療にすぐに新しい科学技術を試すということは、安全性の面からもしてはならないことです。海外では試されている技術や薬であっても、日本では良くも悪くもなかなか進まないのが、現実です。不妊治療の業界でもこんな新しい技術があります、と新聞で載ることもありますが、倫理審査抜きにそれをすぐには治療で使うことは出来ないとご理解頂きたいと思います。
山下湘南夢クリニック高度生殖医療研究所では小児科医師、産婦人科医師、病理学医師、他研究施設の研究者、不妊治療暦のある一般の方を含む)女性2人、男性5人の倫理委員会を設置して、研究内容等の審査を依頼しています。研究の進め方を外部から厳しい目で見て頂き、よりよい内容にして行けたらと考えています。
話は少し変わりますが、不妊治療に関する書物をよく読まれている患者さんもいらっしゃるので、胚移植の話の際に、ガン患者さんの不妊治療のこと、卵管回帰説、着床前診断など、最新の技術も含めていろんな質問を頂きます。私の知る限り、知らないことは、山下院長、研究員や培養士の友人からも情報を貰ったり、情報発信元に問い合わせして、お返事したいと思います。
生殖医学会は11月7日から、マイクロナノバブル学会は11月30日と、発表の機会があります。フロアからの核心をついた鋭い質問にも十分に納得していただける返答ができるように準備したいと思います。
写真は、金沢駅でランチをした際にプチ贅沢をした海鮮丼です。
お魚も美味しかったけれど、上に載っていた何か不明な貝(写真の12時方向の白い物です)
が美味しかったです。
このお店のガリは美味しくて、ガリだけを2回もおかわりしてしまいました。