成熟確認
- 2017年10月27日
- 培養室
こんにちは。
最近寒さが増して真冬のような日もあり、体調を崩しやすい時期となってきました。インフルエンザに関するニュースも耳にするようになり、体調管理には本当に気を付けたいですね。
今回は、卵子の成熟確認に関して、簡単にお話ししたいと思います。
説明会にお越しいただいた方にはスライドにてご説明差し上げていますが、採卵後最初に行わせていただく処置が成熟確認です。卵子は成熟していなければ受精する能力をもたず、成熟してから受精までに時間がかかりすぎると、その後の発育が悪くなってしまいます。そのため、採卵された卵子がどの成熟度なのかを知ることは、最適な受精のタイミングをはかる上で重要です。
上の写真は採卵直後の卵子です。濃い色の部分が卵子で、周りのモヤっとした部分は卵丘細胞という小さな細胞の集まりです。ご覧のとおり、このままでは卵子の状態ははっきりとはわかりません。そこで、周りの細胞のトリミングを行い、卵子の成熟度をより判定しやすい状態にします。
トリミング後が上の写真となりますが、中心に見える大きな細胞が卵子です。このように卵子がある程度見える状態にした後、成熟度の判断にうつります。
上の写真は、左と真ん中が未成熟の卵子、右が成熟した卵子になります。それぞれの卵子にみられる形態的特徴から、成熟度を判断していきます。
成熟確認は、とても精密な作業で、他に行っている施設は多くありませんが、当院では、採卵されたすべての卵子に行っています。
培養 飯村