手紙
- 2022年5月31日
- 経理室
先日手紙を書きました。
宛先は以前お世話になった方です。
元気にされている事を知ってはいましたが、何年もお会いすることがないまま月日は流れ、現在に至ります。
お世話になった事への感謝や、自身の現状を一通の手紙にしたためる事など、社会に出てから経験があっただろうかと振り返ると、今回が初めてである事に気が付きました。
便箋を選ぶことから始まり、どのペンを使うかなど書き始める前から相手のことを考えるのは、手紙ならではの特別なものを感じます。
成人して何年か経った頃、たまたま観ていたドキュメンタリー番組に出演されていた方が「大人になってからの字は自分のためのものではない。社会に出たら、人にスラスラと読んでもらえる字を書くのが望ましい」と言っていたのを思い出しました。綺麗な字ではないけれど、読みやすいように丁寧に書こうとペンを取り、思いを綴ります。
メールやSNSでは誤字をすぐに訂正できますが、直筆ですと当然そうはいきません。書き損じては最初から書き直す…という作業を何度か繰り返したあと、書き終えてペンを置き、疲れた目に手を添えます。
読み直してみると思わぬ長文になってしまい、完読していただけるだろうかと少し心配でしたが、それは受取手の自由だと割り切ることにしました。
書き終えた満足感で気持ちが昂り、普段数秒で眠りにつく私がその日はめずらしく時間がかかり、何度かリビングに行ってお茶を飲みました。このような感覚はとても久しぶりの事でした。
時間をかけて言葉を選び、ペンを執る。これは気持ちがあるからこそできる事なのだなと改めて実感しました。
日頃から丁寧に字を書くことを心がけようと決めて、眠りにつきました。
小川