有事の備え
- 2015年5月23日
- 培養室
こんにちは。
急に暑くなり、今年は特に、春が感じられませんでしたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
先日当院の防災設備点検で消防署の方がいらっしゃいました。特に問題無いとのことでしたが、設備面では問題無かったとしても、実際に有事となった際は冷静に動けるのでしょうか。炭酸ガスや電気系統など、培養室のライフラインが被害を受けた際にはどう対処するか、職員それぞれが自分の役割を日頃から明確に意識しておく必要があります。有事に備え、患者様からお預かりしている卵子、胚などを全て守る事が出来るよう、現在防災マニュアルの改訂作業を進めてます。
大涌谷の火山活動が活発になっていると連日報道されてます。そこでふと思ったのですが、もし噴火が現実となった場合、当院培養室はどの程度影響を受けるのでしょうか。私は都内から1時間以上かけて通勤しており、藤沢市の地理感覚が乏しい所もありましたので、調べてみました。
今回可能性があるのは、水蒸気噴火という種類の噴火だそうです。マグマの熱で地下水が急激に気化、爆発することで、岩石が砕けて噴石や火山灰が降りそそぐとの事でした。噴石は直径64mm以上の岩を指すそうですが、その恐ろしさは先日の御嶽山の噴火で皆様も良くご存知かと思います。噴石は爆発点から5km以上飛ぶ事は滅多に無いとされてます。藤沢市は箱根山からの直線距離が約40kmありますので、当院培養室へ影響を与えるのは、主に火山灰だと予想されます。
火山灰は噴火の規模や気象条件に影響を受けますが、数千km飛ぶ事もあるようです。火山灰は木や紙を燃やして発生する通常の灰とは異なり、ガラスが主成分だそうです。従って目や呼吸器に入った場合、作業中の職員が動けなくなる可能性があります。培養室の作業は特に人員を必要としますので、業務の精度を保つ事が出来なくなってしまいます。また、来院中の患者様にもご自身のお身体を守っていただく必要がありますので、当院では防塵マスク、防塵ゴーグルを用意し、噴火に備えることとします。
箱根山から御自宅がどの位の距離にあるかを今一度確認いただき、しっかり備えて下さい。
培養部 河野