来年に向けて
- 2019年12月31日
- 培養室
2019年も残りわずかになりました。今年も培養成績を非常に高い水準で維持できました。
当院培養室は、全ての培養士が全ての操作を習得しています。全ての人員が同じレベルの技術を有する、これは他で真似をすることが難しいことだと思います。培養技術の習得では、補助業務を経て業務全体の流れを覚え、卵子、精子、胚の操作を経て、ストレスをかけずに細胞を扱う感性を養います。その上で、より高度な胚移植や顕微授精の習得に至ります。全ての人員が同じレベルの技術を有することは、大きなメリットがあります。
例えば、手先の技術は、どうしても操作のクセが出てしまうものです。しかしながら、手先のクセは無理に矯正するのではなく(デメリットしかないクセは矯正します)、クセを自覚した上で操作をアレンジし、細胞へストレスをかけない方法を個別に考えます。同じ操作に対して個々が違う視点を持つことができ、課題に対して考える習慣が身に付きます。そして、お互いが工夫を取り入れることで、安全で最速の手順が完成されます。
患者様の卵子、精子、胚も個性豊かな形状をしています。患者様の状況に合わせたアプローチを個々がその場で考えることができる点は、当院培養室の優れた特徴であると思います。
今年も治療が大変困難であった方々が卒業できました。一方で、未だ治療に苦渋されている患者様もいらっしゃいます。来年度もより一層の技術を持って患者様をサポートさせていただく所存です。来年が皆さまにとって良い年になりますよう、願います。
培養室 河野