Enthusiastic presentation|山下湘南夢クリニック|藤沢市の不妊治療/体外受精

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Enthusiastic presentation|山下湘南夢クリニック|藤沢市の不妊治療/体外受精

Enthusiastic presentation

11月も半分を過ぎ、やっと肌寒さが感じられるようになりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。培養部の河野です。

 

 今月初旬、中国石家庄で開催されました、「生殖内分泌と生殖補助技術の新進展学術シンポジウム」に参加してきました。今回は私自身初めての英語による口頭発表でした。8月から英会話スクールに通い、発表の準備をしました。仕事を終え、藤沢から世田谷の自宅に帰ってから受講することもあり、体力的になかなか厳しかったです。10月に入り、ようやくプレゼンテーション資料が完成しました。その後、発音を中心とした練習をしました。自主的な反復練習を残すのみとなった、本番前の最後の講義で、「もし発音がいまいちだとしても、言葉の流れから内容は理解できる。大切なのは熱意だ。」と講師から言葉をいただきました。

 

 出発前日、クリニック内での予行演習会にて、スタッフの前でプレゼンをする機会をいただきました。当然英語であり、極度の緊張と持ち時間の少なさから、自分でも何を言っているのかよくわからないまま演習が終わってしまいました。冷静さを欠いた時間は、トラウマになるくらい本当に無様でした。院長から「どれだけ相手に伝わるかは、どれだけ伝えたいと思うか。」という言葉をいただきました。

 

 シンポジウム当日、私の発表順は夕方、演題の最後でした。午前中に吉田副院長、私の2つ前に中田研究室長の発表があり、さすがだなぁと思いながら聞いていました。私たち以外には、中国や台湾の先生が発表されていました。その中で一人、中国の病院の先生だったと思います。おそらくPGS(侵襲的染色体検査)とNICS(非侵襲的染色体検査)の比較の内容であったと思います。発表およびスライドは全て中国語でしたため、半分くらいしか理解できませんでした。プレゼンが始まり、その先生はいきなりステージの中央に立ちました。スライドを指しながら少しオーバーな身振り手振りを交え、堂々と説明されていました。

 

 そして話が進み、結果と考察の内容に差し掛かる頃、お腹を抱えて「あははは」と文字通りに笑い始めました。研究で狙った結果が出たことを表現したかったのかもしれません。講師が笑っている一方で会場は静まり返っており、最前列で聴講していて胃が痛くなりました。院長、英会話講師の言葉が思い出されましたが、この先生の場合、熱意というよりは自慢と受け取れるような展開でした。染色体検査の成功率は少し改善されているものの、100%にはまだまだ遠い結果でした。その恩恵を受けられない患者さんはどんな思いをするのだろうか。プレゼンが終わり、会場は拍手に包まれた訳ですが、私個人としては複雑な心境でした。

 

 いよいよ出番が来ました。私がスライドを英語で説明し、すぐに中国語の通訳が入り、次のスライドへ移行する、という流れで進みました。一枚一枚スライドを丁寧に説明しながら話を進めました。すると、前列であくびをしながら見ている熟年の女性が視界に入りました。

 

 

…あくびをされたまま講演を終わらせてなるものか。

 

 

 急にその女性以外の聴衆が視野に入らなくなり、1vs1の攻防戦のような感覚になりました。まず手始め、培養環境における揮発性物質対策の話。内容が響いたか、目線が度々重なったからか、どうやらあくびは止まったようだ。そして後半戦、当院の顕微授精の話。SL-ICSI、PIEZO-ICSI、Rescue-ICSI、ZF-ICSIと、保有する技術紹介と成績を畳みかけた。ほう、便箋を取り出しメモを取り始めたではないか。

 

 最初は緊張しましたが、説明に入り込んでしまうと時間はあっという間に過ぎました。しかしながら反省点として、今回の発表のスタンスは、熱意というより「話を聞け!」のほうが合っていたかもしれません。聴衆にあくびをされないよう、今後も学会発表を通して、話術や表現方法を工夫しなければならないと思いました。

 シンポジウムのあと、当院が開発したMAYUやGas-nil等の製品について興味を示す方と話す機会がありました。今後中国にも当院発の製品が広がっていくと良いな、と思います。

 

今回のシンポジウムを取りまとめていただきました、河北生殖妊産医院の先生方に、この場を借りて御礼申し上げます。

 

会場の近くにある観光名所を訪れる機会がありました。


皆様は「正定城」をご存知でしょうか。
三国志の蜀の武将である趙雲の出身地です。

 

三国時代の城門がそのまま保存されていました。

 

凄まじいライトアップでした。
光が空に走っていますが、霧ではなくPM2.5によるものだそうです。