不育症
不育症
妊娠しても流産や死産を繰り返して、赤ちゃんを得ることができない状態を不育症といいます。
過去の流産が2回の場合は反復流産、3回以上は習慣流産と区別されています。
流産の原因の半数以上は、胎児(受精卵)の染色体異常によるものと言われており、
女性の年齢にもよりますが妊娠の約15%は流産となります。また不育症の頻度は約5%と報告されています。
いわゆる妊娠反応のみが陽性で子宮の中に赤ちゃんの袋がみえる前に流産してしまう生化学妊娠は、
現在は不育症の流産回数には含めていません。
不育症の原因は下記のようなものが考えられていますが、現在確立した検査や治療法は限られています。
よって不育症の検査や治療を行う際は、その意義に関して十分注意して行う必要があります。
同種抗体(抗核抗体)
抗リン脂質抗体(抗CLβ2GPI複合体抗体、抗CLIgG抗体、抗CLIgM抗体、ループスアンチコアグラント)
卵巣・下垂体ホルモン(LH、FSH、PRL、E2、P4)
甲状腺機能異常(FT3、FT4、TSH、抗サイグロブリン抗体、抗TPO抗体、抗 ルオキシダーゼ抗体、TSH受容体抗体)
糖代謝異常(血糖値 HbA1C)
PT、APTT、プロテインC活性、プロテインS活性、第XII因子活性
超音波検査 子宮卵管造影検査
子宮奇形や粘膜下筋腫などの有無
慢性子宮内膜炎や子宮内膜ポリープの有無
均衡型転座やロバートソン転座の有無
抗リン脂質抗体陽性や凝固因子異常の場合は下記を行っております。
抗血栓療法・・・低用量アスピリン療法 ヘパリンカルシウム注射