第25回日本臨床エンブリオロジスト学会参加報告|山下湘南夢クリニック|藤沢市の不妊治療/体外受精

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第25回日本臨床エンブリオロジスト学会参加報告|山下湘南夢クリニック|藤沢市の不妊治療/体外受精

第25回日本臨床エンブリオロジスト学会参加報告

冬とは思えない暖かさが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

新型コロナウイルスの蔓延について、陽性の方が確認された場所や世界的な被害者数について連日のように報道されています。一方、発熱や咳など発症した可能性のある日本人は具体的にどのように行動をすべきか、ほとんど報じられていないように思います。国が私たち国民のことをどのくらいの温度で考えているのか疑問に思えてきます。加えて、海外でマスクをしていない(おそらくマスクを入手できていない)方が外を歩いているだけで迫害されていたり、日本では病院の倉庫からマスクが盗まれたり、ドラッグストアで何度も列に並び転売目的でマスクを買い占める人がいたりと、寂しくなる日々が続いております。

このような状況の中、布やガーゼによる手造りマスクの製造を始めたお店が、あるニュース番組で紹介されていました。自分たちで何とかしようと率先して行動する姿が嬉しく思いました。素材によってはウイルスどころかそれよりも大きな粒子さえ通ってしまうリスクが高いため、専門的な見解を交えた工夫が必要であると考えます。が、じっと経過を見守るより、前向きな、建設的な話がどんどん進んでくれると良いなと思います。それよりも、マスクはあくまで拡散防止が主な目的だと思いますので、手洗いうがいの方も感染のリスクを下げるためには大切なことだと感じます。

 

報告が遅くなりましたが、先月中旬に国際医療福祉大学で開催された第25回日本臨床エンブリオロジスト学会に参加してきました。当院の培養室からは1名が発表し、私は今回PIEZO-ICSIのワークショップを担当させていただきました。ワークショップの参加者は前半が初級者7名、後半が上級者7名、前後半2時間半ずつの内容でした。例年通り各講師に割り当てられた1台の倒立顕微鏡で、7名ずつ指導しなければなりませんでした。当院から培養士が1名手伝いに来てくれましたので、質疑応答の対応については十分にできたと思います。しかしながら倒立顕微鏡が1台ですので、顕微操作についてはどう頑張っても1名ずつの指導となってしまいます。個別の指導に時間がかかってしまう現在のシステムは今後改善していかなければいけないと感じました。

学会の後半では、広いメインホールのステージ上で顕微操作のデモンストレーションが行われました。大きなスクリーンに画面いっぱいに、顕微鏡や顕微操作の手元が映し出されました。デモを行った講師の先生はとても緊張したと思います。技術の習得には達人の技を見ることが一番ですから、このようなチャレンジはとても魅力を感じました。また新たな試みとして、今回はワークショップ用にウサギの卵子が用意されました。ウサギの卵子は大きさや細胞の質感などヒトの卵子に非常によく似ています。とても高価ですが、顕微操作のトレーニングには理想的な素材です。準備が大変だったと思いますが、エンブリオロジスト学会の気概が伝わってきました。今後もワークショップや発表にどんどん参加し、盛り上げていきたいと思います。

培養部 河野